孵ったばかりの、鷹の雛を見た。
まだ充分羽根も生えてないが、近づいてくるカメラの気配に威嚇をする目つきは、充分鷹の目だった。
まだ巣の中にいる鷹の雛は、’巣鷹’と言って、これを捕えて鷹狩用に飼育した。
巣立ち前後の雛は人になれやすく,野に逃げ帰ることが少ないこともあって珍重された。
鷹狩が、武士のたしなみとされた江戸時代、巣鷹の発見者には褒美として、領主から金品が下賜されたとも言われる。
二十四節気は、太陰太陽暦(旧暦)で季節を表すために用いられている。
1年の太陽の黄道上の動きを、経度15度ごとに24等分して決められている。
二十四節気をさらに5日ごとに分けた七十二候があり、その33番目は’鷹乃学習’と言い’たかすなわちわざをならう’と読む。
大体、七月の17日から21日頃に当たる。
鷹の産卵は4~5月ごろで、普通2~3個を数日の間を空けて産む。
抱卵期は35~38日。
孵化してすぐの雛は、ヒヨコくらいの大きさだが、約1ヶ月かけて親鳥とおなじ位の大きさになり、はばたきの訓練が始まる。
やがて、巣の外に出て飛び方を覚え、少しづつ行動範囲を拡げ、狩りの仕方を学び、8~9月ごろ漸く親から離れて独立する。
本来、単独で行動するタカが、親子で舞うのはこの期間だけである。
この期間に十分な訓練を積んでないと、単独で生存することはできなくなるので、ヒナも命がけで学んでいるのだ。
「氏より育ち」と言われるが、高のヒナを見ていると、氏は脈々と伝わるものだと思う。