一億総中流、と言われた時代があった。
最近は自分を、中流と思わない人が増えているそうだ。
「世界価値観調査」というのが1981年から行われている。
その中で、自分の生活レベルについて、「上」と回答した者が多い国は、イスラエル6.9%、ナイジェリア5.2%、イラン2.9%、南アフリカ、フィリピン2.8%などである。
イスラエルを除くと、必ずしも経済の発展した国でなく、格差の大きな国が上位で目立っている。
「下」と回答した者が20%以上の国は、ほとんどがサハラ以南のアフリカである。
特にジンバブエの50.5%が目立っている。
アジアではバングラデシュが19.7%と、特に目立っている。
中流意識の割合の高い順に国名を挙げると、シンガポール、ベトナム、オーストラリア、台湾、日本、韓国、中国、米国、インドである。
この中では、ベトナムで「中の下」を意識している人が多いことが目立つ。
NHK放送文化研究所が2019年11月に実施した、社会のさまざまな格差意識を探る「社会的不平等」に関する調査を、1999年と2009年の調査結果と比較してみた。
日本の「社会構造」が、中流層より下流層が多い構造になっていると感じる人が多くなり、自分が社会のどの階層にいるかという「階層意識」についても、中流よりも下の階層にいると思う人が増えている。
たぶん周りと比較して、自分のことをどう思っているかによって変わってくるのだろう。