一日の大部分を、パソコンに向かうか読書に費やしていると、気付かないうちに背中が丸くなってしまっている。
背中を丸めるとは、通常、落胆したり、悲しさやひもじさを感じていたり、寒かったりしたときに人がとる仕草である。
「背中を丸めてすごすごと帰っていった」などの表現にみられるように、かなりネガティブな内容が付きまとう。
背を丸め、小さくなっているしぐさをしている人は、不安や劣等感、恐怖や恐れを抱いており、心理的にも負の意識が強くなっているということである。
もともと動物は、天敵から身を隠す時、物陰に隠れて、体を小さくして、じっと危険が過ぎ去るのを待つ。
現代の人間が背を丸めるのは、生物学的に、脳にその反応が刷り込まれているかららしい。
猫背をすることでうつ気分が生じることは、繰り返し実験で立証されている。
気分が落ち込むと頭をうなだれ背中を丸めやすいが、軽いうつ気分のときに、背筋をまっすぐ伸ばすと、気分の回復が早まることもわかっている。
猫背のまま高齢期を迎えると、身体機能の衰えから背中や腰の曲がりが進行し、円背になる。
これにより、体幹バランスや運動機能が低下し、要介護状態にもなりかねない。
姿勢を正すことは、背筋を伸ばすというフィジカル面だけでなく、気を引き締めるというメンタル面にも同時に好影響を与えているようだ。
背筋を伸ばして生きていこうと思う。