神社に行くと、必ずお神籤を買う人がいる。
おみくじの起源は、室町時代の『元三大師神籤』といわれる。
五言四句の偈文(げもん)で意味を読み取り、運命を判断したようだ。
現在の形になったのは、山口にある二所山田神社の宮司が女性にも仕事をと考えられたものである。
女性の自立のための全国組織「大日本敬神婦人会」を設立し、その機関誌『女子道』(じょしどう)の費用捻出のため、明治39年(1906年)それまでは、漢文で書かれたおみくじを、和歌に詠みかえて販売したのが、始まりである。
現在は、全国社寺おみくじの70%は女子道社の製品と言われている。
女子道社は「女性に副業を与えるのも使命」だということで、近隣の主婦が常時60人、秋口から年末にかけては100人ほどが働いている。
ベテランになると一日5000~6000枚を完成させるそうだ。
折ったあとは毎月15日の「神籤祭り」でお払いを受け、各地に送付される。
送付先は全国の寺社に加え、遠くはハワイまで5000カ所以上にものぼるそうだ。
おみくじの自動頒布機(自動販売機)を考案したのも、女子道社である。
正しいおみくじの読み方は「まず和歌を詠み、その意味を理解し、解説として運勢や具体的な‘願望’を読む」ということである。
気になる吉凶の割合は、『元三大師神籤』で100本中、大吉16本、吉35本、その他の吉19本、凶30本という割合が決まっている。
凶が案外多いのに驚く。
残念がることは無い。