直会でまつりの幕は派手に閉じ

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まつりに、‘直会(なおらい)’はつきものである。
直会は、神社に於ける祭祀の最後に、神事に参加したものが、一同で神酒を戴き神饌を食べる行事である。
神々にお供えした物を下げて戴き、神と人とが一体となる‘共飲共食儀礼’とされている。
これが、直会の根本的意義であり、神事の一部ということは明らかだ。

直り合い(なおりあい)という意味もある。
まつりに参加する者は、神事を行う前に身を清めるため、普段の生活とは異なるさまざまな制約があり、体も心も違う状態となる「潔斎(けっさい)」をおこなう
まつりが終わると、その状態を解く「解斎(げさい)」を行って、日常の生活に戻る。
「もとに戻る=直る」ということで、日常とは異なる状態から、日常の状態に戻ることを‘直り合い’と呼び、’直会’となった。

しかし、まつりが終わると、当然の流れで酒を囲む会が行われる.
参加者や周辺の人たちには、祭りの後の慰労会だと誤解している場合が多い。
いわば、神様公認の宴会である。
直会が盛り上がると、すっかり神事の意識もなくなり、「日常にもどりたくない」といつまでもだらだらと、二次会、三次会が続く。
そのうち、長老の抑えも効かなくなり乱痴気騒ぎとなって、ようやくまつりは終わる。

翌日、二日酔いのまま出勤しても「昨日は祭りの直会だった」と言えば、大概大目に見てもらえる。
やはり、神様公認の宴会は大したものだ。