たけのこは三日見ぬ間に屋根を超え*

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たけのこ料理のレシピが、梅の花が終わる頃には話題に上り始める。
たけのこは、季節を強く感じさせる食材の一つである。

たけのこで、店頭で目にする機会が最も多いのは、孟宗竹である。
孟宗竹は、主に3月初旬~5月中旬が旬だと言われる。
淡竹・真竹は、孟宗竹よりも少し遅れた4月~5月終わりごろ、姫竹は5月下旬から6月ごろが旬とされている。

孟宗竹の場合は、約4か月で8メートルほど成長したのち、止まってから地下茎が成長を始める。
一日に30cm近くも伸び、1日に1メートルを超えて成長したケースも報告されている。
たけのこの成長を観察している人もたくさんいて、その記録によると1時間に約1.5㎝伸びているようだ。

たけのこの成長が早いのは、普通の植物だと先端部分にしかない‘成長点’が、約60個あるといわれる各‘節’にあるからだ。
それぞれの節にある成長点が、同時に細胞分裂を繰り返すため、普通の植物の60倍の速度で伸びることになる。

竹は光合成で得た栄養分を、地下茎に貯蔵している。
竹は地下茎でつながっているため、新しく生えてきたたけのこは、自力で栄養を作らなくても、地下に貯蔵された栄養分を得て、他の植物よりも早く成長できる。

しかし、たけのこは10日ほどで竹に成長してしまうため、短い期間しか収穫のチャンスはない。
したがって、本当に美味いタケノコを味わえる時期は、限られている。

短い期間に、季節をしっかり味わいながら味わうから、一層うまく感じる。