近道を抜けたつもりが遠回り

川柳徒然草
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プロ野球のイチロー選手は「遠回りすることが一番近道」といっている。
彼は、あの天才的なレベルに達するまでに、こつこつと基本部分を繰り返している。イチロー選手はかつて、「僕は高校生活の3年間、1日にたった10分ですが、寝る前に必ず素振りをしました。 その10分の素振りを1年365日、3年間続けました。 これが誰よりもやった練習です」と言っていたそうだ。
一般的には、遠回りしているように見えたが、結局それが近道だったのだ。  

漫画家の水木しげるは、「近道を探したらいけん。近道行ったらその先は行き止まりだ」とツイートしている。

行くに径に由らず」という言葉がある。
’ゆくにこみちによらず’と読み、論語に登場する。
どこに行くにしても、裏通りや抜け道を通らずに、正々堂々と表通りを歩くことをいう。
物事を行うのに、近道を求めたり小細工をすることなく、公明正大に行えという教訓でもある。
『大漢和辞典』の著者・故・諸橋轍次博士の座右の銘としても知られている。

径(小道)を歩いていると、必ず行きづまりがあり、元へ戻らなくてはならなくなる。
それにもかかわらず、小さな利益に心を奪われ、奇をてらったり、世間の評判を得ようとして小道を選ぶ。
そして、大道を忘れる。

’近道は遠道’という言葉もある。
近道は危険だったり悪路だったりして、結局時間がかかることがある。
物事も一見回り道のように見えても、安全で確実な道を選ぶほうがいいということだ。
まさに、「急がば回れ」である。

もし行き止まりになったら、さっさと引き返して表通りを行くことだ。
結局、目的地に早く着くことになる。