ダークホースという用語は、競馬界からから生まれている。
前評判は低いが優勝する力を秘めた馬のことであり、日本語では’穴馬’といわれる。
予想外の活躍をして、番狂わせを演じるかもしれない馬のことだ。
つまり、’力を秘めた馬’のような意味がある。
ダークという、暗闇を意味する言葉が使われている理由は、結構せこい。
大きな可能性を秘めた馬を、暗闇の中で調教して多くの人の目から隠し、レースに出場させることで有利な賭けをして、大きな見返りを期待したことによる……らしい。
しかし、しょせんダークホースであり、勝つ可能性は低い。
勝つ可能性が低いということは、それだけ不安材料が多いことでもあり、勝つことが予想されていない反面、大きな番狂わせが生じたときに大儲けすることも期待できる。
行動経済学に、’プロスペクト理論’というのがある。
人は手に入れる利得より、失う損失のことを過大に評価しがちで、そのため最適解を求めるよりも、損失を回避するための行動をとりやすい。
「この商品を購入するとこんなメリットがありますよ」、とアピールされるより、「この商品を購入しないとこんなデメリットがありますよ」と損失を煽られることの方が、購買意欲がたかまる。
経済学では、人間は理性的に行動するということが基本にあるが、実際には、結構情動的に行動していることがよく分かる。