川柳徒然草

川柳徒然草

おはぎ半分こ 幸せ半分こ

一つだけ残ったおはぎを、妻と半分づつに分けて食べるとき、小さな幸せを感じる。 しあわせとは主観的なものだから、分けられないのは分かっているが、それども’しあわせ’のお裾分けはしたい。
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的はずし「弓曳き童子」客沸かす

からくり儀衛門こと、田中久重は東芝の創業者である。からくり人形の代表作に、弓曳き童子がある。 現在われわれが目にする弓曳童子は、矢の一本が目とを外す。 見ている方は、そこに人間らしさを見て、喝さいする。 しかしこれは、修理段階で失敗したためである。まさに、怪我の功名だ。
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微分積分できぬが釣りはちゃんと合う

ユーチューブで、高校数学をやり直した。 微分積分は、さっぱりわからなかったのが、多少分かるようになった。 世の中に、大変役立っていることも分かった。 しかし、日常生活を送るのに、絶対必要なもんではないことも、再認識した。
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方舟に高齢者だと断られ

2025年には、5人に一人が後期高齢者になります。 ノアの方舟に、人間だけは沢山乗せたいとしても、約1万人が限度です。 高齢者は断らざるを得ないでしょう。 ひとりで、たくましく生きてゆく方法を考えておかねばなりません。
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口達者手足も達者で嫌われる

何時までも元気でいたい。しかし、元気過ぎて嫌われ者にはなりたくない。 しかし、気にくわないことには口も出したい。 何処で、折り合いをつけるのか考えなければならない。 長生きするのもむつかしいことだ。
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裏ばかり読んで表を読み忘れ

SNSが発達した今日、様々な情報であふれている。中には、怪しいものも含まれている。 つい、疑ってしまい、裏事情を探ってきたくなる。 裏事情も、情報がすぐに、しかもたくさん集まる。 裏事情に詳しくなると、表事情が信じられなくなる。 こんなことで良いのかなあ。
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言い訳がたらたらと出て自己嫌悪

言い訳をして、なんとなく相手に納得してもらったが、後味が良くない。そんな気分を味わった人は多いはずだ。 なるべくなら、言い訳しなければいけない状況は作らないようにするべきだろうが、そうもいかない。 仕方なく、たらたらと言い訳をして、自己嫌悪に陥ることになる。
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ねずみ花火が浴衣美人を追い回す

夏の夜の花火は、家庭で楽しむオモチャの花火でも楽しい。 ねずみ花火を見ていると、どういてあの発想に至ったのか、不思議に思う。 線香花火の、小さな光が走る様や、最後にポトリと落ちる瞬間の、なんだかむなしい感じも、ひと時の詩人区分を味わえる。
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印籠を持つと男は強くなる

ステータスに、しがみつきたいのは人間の性かもしれない。社会的な地位があれば、それが一番だろう。 今の世の中、’印籠’に代わるものは、’お金持ち’のイメージに連結する高級時計や宝石類かもしれない。 ヒトの価値は、’中身’の問題なのだが、どうしても’外見’で判断してしまう。
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雑草と呼ばれる花が野を飾る

朝ドラ「らんまん」主人公のモデル・牧野富太郎博士は「雑草という名の草はない」と語り、昭和天皇もそれを引用された。 人間は、自分たちに役立たない植物は’雑草’とひとくくりにしている。 ’雑草’も必死に生きているのであり、よく見るとそれぞれにかわいく美しい。
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