腹決めて反対論に挙手をする

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聖徳太子が定めた十七条の憲法には、冒頭に「和を以て貴しと為す」という言葉が、掲げられている。

実際の文書は「以和爲貴、無忤爲宗」である。

続いている言葉は「逆らう事なきを旨と為す」と読む。

さらに、あとに続く文章を読むと、上司と部下が穏やかに議論していけば、自然と道理に適った結論が導き出され、何事も成就する、ということが書かれている。

議論を重ねれば、筋道にかなった解決策が見つかる、ということだ。

衆議一決、ということだろう。

満場一致を基本とする日本の文化では、議論の過程で反対論を出すのは、結構気が咎める。

特に、ボスや長老の意見には気を遣う。

こういう人は、過去の経験とか知識にしがみつき、自分の考えが絶対に正しいと思い込んでいるから、扱いにくい。

企業内でも、有能な上司であれば、部下の意見に耳を傾けてくれるが、無能な上司ほど、自分の意見に固執する。

しかも、必ずそんな上司に調子を合わせる奴がいる。

間違いだと思う提案には、反対せざるを得ない。

後で、じくじくいびられるかもしれないが、言わないより言った方が、よほど気分がすっきりする。

意見も言わず、ただ黙っているだけで、後で飲み屋でぶつぶつ言うのなら、きちんと意見を言ったらどうだ、と言いたい。