各地で、祭り行事の一つとして、フリーマーケットが開催される。
フリーマーケットとは、自由(free)な市場の英語から来ていたと思っていた。
しかし、フリーは英語の‘自由’ではなく、フランス語の‘ノミ(flea)’だということだった。
つまり、フリーマーケットとは、フランス語の蚤の市をそのまま訳しただけの言葉だ。
蚤の市の発祥の地はパリである。
昔、パリの町は城壁によって取り囲まれていて、ゴミ回収のような行政サービスはなかった。
市民たちは、城壁の外に勝手にゴミを捨てていた。
そうして捨てられたゴミの中から、まだ使えそうなものを拾って、町の中心部で開かれた市場に持ち込んで売る人が表れた。
それらの中にはノミの付いた古着等もたくさんあったため、いつの間にか、「ノミの市」と呼ばれるようになった。
ということで、起源は中世までさかのぼる。
蚤の市は、基本的に家庭や個人の不用品が出品されており、値段はあってないようなものである。
しかし、思い出の詰まった品もある。
そのまま、捨てるのはもったいないし、良い人がまた使ってくれたら嬉しい。
その時、少しでもお金になればまた嬉しい、という気持ちで出品している。
そこで値切り交渉という、もう一つの蚤の市の楽しみが生まれる。
仏像を値切るのは、罰当たりめと叱られるかもしれないが、それも蚤の市の醍醐味のようだ。