ケンブリッジ大学の研究によると、いつでもすぐに問題を解決できる人やあまり悩みに囚われない人、長期間グズグズと悩まない人は、あえて‘苦手な人’に頼ることがとても上手であるという。
人は、‘大丈夫だよ’とか‘悩むことないよ’と、その悩みを認めてくれる相手に相談したくなる。
しかし、その習慣を続けていたら、自分が悩んでいることを認めてもらっただけであり、その悩みが解決されることではないから、根本的にその悩みから永遠に脱出することはできない。
多少距離感はあっても、自分にとって”苦手な人”こそが、悩みを打破するヒントを持っている可能性が高い。
自分とウマの合わない人が相談相手に回れば、こちらの弱点をよく知っているから、最良のアドバイザーになってもらえるはずだ。
進化生態学という研究分野があり、生態の進化をコストと利益で見る。
進化生態学における利益とは、生き延びることであり、繁殖することである。
最近の研究では、いやな体験を思い出すことや、人に助けを拒否された人は、進化の面では有利だという。
つまり、苦い経験を思い出すことに敏感な人ほど、生き延び、繁殖する傾向にあると言う。
この結果から、「最良の策は思いやりを持たないこと」という結論が導きだされている。
結局、最良の相談相手とは、自分にとって苦手意識があるくらいの人が適任なのだろう。