カエルは、いきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出す。
常温の水に入れて徐々に水温を上げていくとのんびりしてしまい、逃げ出すタイミングを失って、最後には死んでしまう。
ゆでガエルの法則という。
アメリカのグレゴリー・ベイトソンという精神医学者が、ゆっくり変化する環境変動に対応する必要性と、対応出来なければ痛い目に会う危険性をうったえるために創作した話である。
実際の実験結果では、カエルは熱湯に入れれば飛び出さずに死んでしまうし、冷たい水に入れれば熱くなる前に飛び出してしまう。
しかし、社会現象を的確に表現する寓話として、よく使われている。
急激な変化にはすぐ気付くが、ゆっくりした変化には気付かない。
そうこうしているうちに大変なことになってしまう、ということである。
現代の社会は、急激に変化し成長している。
変化に対応できないものは、置いて行かれるだけである。
心理学では、変化や未知のものを避けて現状維持を望む心理作用のことを、現状維持バイアスという。
現状から未経験のものへの変化を「安定の損失」と認識し、現在の状況に固執してしまうことである。
とくに現状に大きな問題がないならば、わざわざリスクを取ってまで変化する必要はないと考えてしまう傾向にあるということだ。
コロナによる社会的な大きい動きの中で、新しいやり方が模索されている。
禍を転じて、福としよう。