あっけらかんと地獄を巡るバスツアー

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「地獄めぐり」は、別府市が有名だ。

約1200~1300年前の奈良時代初期『豊後風土記』に、噴気・熱泥・熱湯などが噴出して、近寄ることもできない忌み嫌われた土地と記されている。

色の違う温泉が湧き出る様子が書かれており、当時は地獄絵図のような恐ろしい場所だったようだ。

地獄は全部で7か所あり、海地獄、血の池地獄、龍巻地獄、白池地獄の4つの地獄は国の名勝に指定されている。

‘海地獄’は、‘ラジウム硫酸鉄’を多く含んだ泉質で、太陽光を通して見ると鮮やかなコバルトブルーに見える。

‘血の池地獄’は‘酸化鉄’や‘酸化マグネシウム’を多く含んだ泉質である。

それを含んだ熱泥が空気に触れることで酸化して、太陽光の反射で赤く見える。

この赤い泥は、ベンガラと同じであり、当時から屋根や柱の塗料として利用されていた。

‘白池地獄’は、‘塩化ナトリウム’や‘重炭酸カルシウム’が含まれている。

噴出時は透明だが、空気に触れることや、太陽光の影響などで、うっすらと青みや緑がかっている白色に変化する。

‘龍巻地獄’は、約30~40分の間隔で約105℃の源泉が、約30mの高さまで噴出する。

一度の噴出で約6~10分出続ける。

「鬼石坊主地獄」灰色の熱泥が沸騰し、ぽこっと出てくる様子が坊主頭に似ている事から名付けられた。

他に、「鬼山地獄」と「かまど地獄」がある。

のんびりバスツアーで回ると、‘地獄’めぐりとは思えない。