永田町がにぎやかだ。
与党に対し、野党がやみくもに反対する、といういつもの図式である。
それを、マスコミが大げさに煽りたて、もめているように仕立て上げる。
国民は、何が問題でどのように解決しようとしているのか、よく分からないままだが、突然委員会で採決され、本会議で正式に決議されてしまう。
テレビでは、本会議場でセンセイ方が騒いでいる姿を映し出す。
当然マスコミは舞台裏を知っているが、あえて猿芝居を本物らしく見せることで、購読者・視聴者を増やそうとしている。
国会には、「国会対策委員会」という組織がある。略して’国対’という。
法令上の規定は無いため、各会派の‘私的’な機関だ。
本来、国会運営は衆参両院の議院運営委員会の責務である。
しかし、いきなり議運に臨むと、各党の意見や思惑がぶつかり合って収拾がつかなくなってしまう。
そこで、国会運営の方向をあらかじめ協議するためのインフォーマルな組織として、各党に国対が設置されている。
役割は、国会運営が円滑に運ぶように、法案を提出してから成立させるまでの、議事日程や手順などを決めることである。
委員には、政界の駆け引き、交渉術にたけたベテラン議員が就いている。
国対では、話し合いとか根回しと称して裏で手を握り、すべてシナリオを練り上げる。
各議員は、そのシナリオ通りに踊る。
つられて、マスコミが踊り、国民が躍る。