秋が深まってくると、ダリアの王様と言われる皇帝ダリアが、一気に背を伸ばし大きな花を開く。
一般的なダリアは生長しても1m程度にしかならないが、皇帝ダリアは3~4mにもなる。
長く伸びた花茎の先端に、ピンクや紫色の、花径20㎝以上の大きな花が咲く。
和名は‘木立ダリア’というが、まさに‘木立’である。
その大きさのため、多くは庭の片隅に植えられて、辺りを睥睨している。
意外にシャイな植物らしく、夜は街灯や部屋の明かりが当たらない場所で育てないと、花を咲かせてくれない。
このようなことからか、花言葉は見かけからは想像しづらい「乙女の真心」「乙女の純潔」である。
晩秋の庭で、空にそびえて立つ姿はまさに’孤高’である。
孤高とは、確固たる信念や美学に基づいて、集団に属さず他者と離れることで個々の生き方を求める様である。
孤高は、自立しており、軸がブレない。
何事でも、「自分」が主体となって、決める。
本来は俗世間との交流を自ら断って、一人で道を求める者の姿を指している。
他者と妥協することなく「名誉」や「誇り」を重視する姿勢から、周囲が「気高さ」を感じる。
よく似た言葉に’孤独‘がある。
孤独には、他人に判断の基準を置いている傾向がある。
他人とのつながりをおそれているが、距離を取りながらでも他人に縋り付きたいという、振り回されるイメージが付きまとう。
皇帝ダリアのように、孤高でありたい。