レシピ通りに料理をすると、そこそこの物が出来上がるので、重宝する。
しかし、何か物足りない部分はあるから、そこは自分流に味付けをすれば、納得できるものに仕上がる。
‘レシピ’は、もともと医師が出す処方箋のことだった。
それが、いつの間にか料理方法を示す用語になった。
最古のレシピと考えられるものは、約3600年前の南バビロニアで粘土板に、象形文字で料理の調理が描かれているそうだ。
わが国にも料理本はあるが、16世紀以前の料理書は儀式料理のレシピや作法が中心だった。
約350年前の江戸時代に刊行された『料理物語』は、食材や調理法ごとの20章で構成されている。
中には、獣とか鳥の調理方法、出汁、料理酒などの項目が並んでいる。
下ごしらえのコツや、早作りのコツなども記載され、当時大変に重宝されたようだ。
1802年、飢饉 などで食糧不足に陥った際に主食を節約するための、代用食となる食物(救荒食物 )の調理法を紹介した『かてもの』が刊行された。
同じ頃出された『豆腐百珍』は、豆腐料理を百種類紹介したものだ。大ブームとなって、多くの続編や類似書が出現した。
今見ても、豆腐料理だけでもこんなに種類があるのかと、驚かされる。
アメリカ人が書いた豆腐料理の本を見たが、大部分は豆腐をぐちゃっと潰して使っており、文化の違いを感じる。