我が家の梅は、太宰府天満宮の飛梅 ほぼ同時期に、花を咲かせる。
今年は、花が膨らみ始めた頃に寒波が来て、例年よりだいぶおくれたが、二月に入ると一気に咲き始めた。
開花日は今年も、飛梅と同日だった。
しばらく暖かい日が続いたので、今ではほぼ満開と言える状況である。
強い寒波がまた押し寄せたので、散ってしまうのはまだ先の事だろう。
しばらくは、梅の花ことば、紅梅の‘優美’、白梅の‘気品’を、たっぷり味わうことができることができる。
あとひと月もすると桜の開花時期となり、春が形を表してくる。
梅の花の香りは、意識しないと気付かないくらい遠慮深いのがよい。
‘花王’の研究では、梅の花の香りの主成分は‘酢酸ベンジル’という化合物である。
酢酸ベンジルはジャスミンやクチナシなどの香りと同じ成分であり、精神を高揚させ、多幸感をもたらす効能が期待できるようだ。
香りと同義語である「にほひ」は、もともと花の色などが人の感覚を刺激することを形容する視覚的な言葉だった。
それが、平安時代には、視覚と嗅覚とを同時に刺激するような美しさを意味するようになっている。
こうして、「におい」という言葉は、嗅覚的な徐々に及んでくるような感覚・雰囲気や気分を表す言葉となった。
したがって現代でも、視覚的な意味に使われることがある。
当分梅の花で、視覚と嗅覚を楽しませてもらえそうだ。