長距離の乗車券やフリーきっぷを利用すると、’途中下車’ができる。
JRの場合、100キロを超える乗車券は有効期間内であれば、何度でも改札外に出られる、という規定がある。
ただし、101キロ以上でも、「大都市近郊区間内相互発着」の乗車券では、途中下車できない。
このルールが適用されない限り、後戻りしなければ自由に途中下車できる。
長距離旅行では、最終目的地まで乗車券を通しで買うと、安くなる上に、途中で降りて遊べるし、特別な用件もこなせる。
ちょっと気になる駅で降り、それから何をやるかを決める。
相当、ぜいたくな旅の方法だと思う。
長距離旅行における’途中下車’は、ほぼ日本独自の制度らしい。
旅行者対象ではないが、JR東日本が、2018年9月に行った、主としてビジネス客を対象とした途中下車行動の調査結果があった。
これによると、通勤の際に、途中下車したものが 62.7% あり、その目的地は降車した駅から5分以内が54.4%だった。
また、途中下車したものには、退社した瞬間からプライベートという認識が強いということが分かった。
つまり仕事とプライベートの時間を素早く切り替えているということだろう。
臨床心理学者の河合隼雄が「ゆっくりと寄り道をすればいい。 道草の途中には、きっと小さな幸せが落ちています」と語っている。
途中下車を、もっと楽しんで良いのではないかと思う。