太陽がじりじりと照り付ける真夏の午後、突然黙々と湧きあがる入道雲。
夕立が近いぞと構えているうちに、バラバラバラと雨が降り出す。
激しい雷を伴っていることもある。しかし、30分から一時間もすると、パタッと雨がやみ、涼やかさが満ちる。
運が良ければ東の空に虹が出ることもある。
暑さはすっかり落ち着き、快適な夜が過ごせる。
まさに、真夏の風物詩である。
入道雲とは積乱雲の別名で、鉛直方向に大きく発達した濃密な雲のことである。
積雲(綿雲)が大きく発達したものが積乱雲と呼ばれる。
夏の入道雲は勢いがあり、1秒間に10m以上成長するとも言われている。
少しの間空を眺めているだけで、もくもくと沸きあがる入道雲の発達する様子がはっきり見てとれる。
夕立とは、もともと狭い範囲に短時間に、激しい雨が降る現象だった。
最近は、時間雨量50㍉を超す雨が降ることも多い。
時に100㍉以上の豪雨が、数時間降り続くこともある。
’ゲリラ豪雨’とか’線状降水帯’という恐ろしげな言葉が頻発する時代になっている。
外に出て「空が暗くなる」「冷たい風が吹く」「稲妻が見える、雷の音が聞こえる」これらを確認したら、間もなく雷を伴う大雨が降り、状況によっては竜巻などが起きる心配もある、発達した積乱雲が近づいている兆候である。
用心に越したことは無い。
夕立の後、部屋を引き抜ける風の中で、冷えたビールを楽しむ機会も少なくなった。