価格が高ければ、美味いはずだと決めてかかる人が結構多い。
味覚は、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の五味が基本味に位置づけられる。
欧米では、長らく4基本味説が支持され続けていた。
1908年に、日本でうま味物質のグルタミン酸モノナトリウム塩を発見されたが、‘うま味’が世界的に認知されたのは、1990年代からである。
したがって、うま味のことは世界標準で「Umami」と表記される。
うま味は舌で感知するが、おいしさは脳が判断する。
うまみを感じさせる要因としては、味やにおいばかりでなく、食べ物の色や形、食べたときの食感や音など、さまざまなものが含まれる。
また、食べ物の直接的な要因だけでなく、食べる人の体調や食べるときの環境、食文化などの間接的な要因にも左右される。
NHKのテレビ番組で行われた実験では、料理の名前をおいしそうにするだけで、しなかったグループと比べ、食事に満足する人の割合は、27ポイントも上回った。
あるレストランでは、‘肉なしソーセージ’という料理名を、ソーセージ作りで有名な地域名をつけた‘カンバーランド地方のスパイス野菜ソーセージ’とネーミングチェンジしてみた。
すると、売り上げは76%もアップした。
人は伝えられる情報だけで、簡単に感じる‘おいしさ’が変わってしまうということである。
価格で美味さを判断するのも、心理的にはあるのだろう。