春は日ごとに、散歩道が様子を変える。
昨日は見かけなかった花が、ふと目について散歩の足を止めてしまう。
散歩は高齢者にとって、最も適した運動である。
散歩をすることにより脚力を維持し、寝たきり予防に効果があるとされている。
新しい場所に行く事で脳の刺激になり、ボケ予防にも効果があることも報告され、さまざまな理由から散歩が注目されている。
脳科学者のシェーン・オマラ教授は、運動の中でも脳に与える影響に関して「散歩が最適」と主張している。
オマラ教授によると散歩中は脳が活性化している という。
人間は迷わないように風景で道を覚えて脳内地図を作成したり、他人・車との衝突を避けるために周囲を警戒したりと、複数の脳内処理を同時に行うため、脳が活性化する散歩の程度は、時速5km以上を保って最低でも30分は歩くことを推奨している。
ベートーベンはウォーキングの熱烈な信者だった。
彼は、ウィーン周辺を鉛筆と紙を持って散策しながら、その場で思いついた着想を書き留めていた。
代表曲の一つ、交響曲第6番田園では、彼が歩いた森林の影響を、感じることができる。
筑波大学等の研究によると、ストレスによって上昇するホルモンの値が、花の画像によって21%低下するという報告もある。
花を眺めながらの散歩は、体にも心にも良いらしい。