先頭を譲られもろに受ける風

川柳徒然草
この記事は約2分で読めます。

組織のトップに立つと、何かと風当たりが強くなる
物体が流体(空気や水)から受ける抵抗は、速度の2乗に比例すると言われる。
先頭に立つと、その影響をもろに受けることになる。
社会面でも、自然界の法則と似たようなものだろう。

鳥が羽ばたくと、空気がかきまわされて、圧力が高い翼下面から、上面に巻き上がるうずが両翼端に発生する
つまり、真後ろの部分にはおし下げる力がはたらき、両翼端の外側の部分にはおし上げる力がはたらく
したがって、飛行する鳥のななめ後ろは、後続の鳥を押し上げる空気のうずができている

このうずをじょうずに利用すれば、後続の鳥は省エネルギー飛行ができる。
こうすると、前を飛ぶ鳥のおかげで、後ろの鳥は正面からの空気抵抗が少なくなり、10%以上もエネルギーを節約することができる

鳥は、飛行の楽な省エネ飛行ができる両翼端部分を選んで飛ぶので、自然にかぎ型の飛行隊形になる。
このようにして群れで渡る鳥たちは、体力を使う先頭を交代で務めながら、長距離を渡っていく

英オックスフォード大学などの国際研究チームによると、鳥たちは全般的に飛行時間の平均32%を、他の鳥の羽ばたきで発生する上昇気流に乗って飛行し、恩恵を受けている。
エネルギーを奪われる先頭位置と、エネルギーを節約できる追随位置とで、正確に時間配分を行い、先頭になろうとしない‘ただ乗り’常習者はみられなかった。

人間の世界では、前に出たがるものがたくさんいる。
そして、上手に風をかわすすべを心得ている。
特に政治の世界でそのような人物が多いのは、世界共通らしい。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

酔って候 (文春文庫) [ 司馬 遼太郎 ]
価格:748円(税込、送料無料) (2023/12/17時点)


タイトルとURLをコピーしました